みんなの想職活動

interview

2026/3/21 掲載

あつまれ!熱血技術者/16

塗る前の下地づくりが肝心!焦らず確実に重ねる

ものづくりに魅せられ、製品開発に心血を注ぐ技術者たち。彼らは、どんなことにこだわり、どうやって驚くようなアイディアを生み出すのか?日進月歩の世界で凌ぎを削る、熱き技術者たちに迫るこのコーナー。今回は、川上塗装工業株式会社の齊藤樹さんにお話をお聞きしました!

私たちが暮らす家は、年月とともに少しずつ傷んでいきます。外壁が色あせたり、触ると白い粉がついたり、屋根にサビが浮いてきたり…。こうした変化をきっかけに行われるのが、外壁や屋根の塗装メンテナンスです。

塗装は「きれいにするためのもの」と思われがちですが、役割はそれだけではありません。塗膜によって外壁材や屋根材を守り、防水性を高め、雨風から建物を守る。住まいの寿命を延ばすための、大切な工事です。

盛岡市に拠点を置く川上塗装工業は、住宅塗装を中心に屋根板金や大工工事まで手掛け、建物を総合的に守る会社です。現場で活躍しているのが、入社8年目の齊藤樹(さいとう・たつき)さん。現在は職長としてチームをまとめながら、一般住宅の屋根や外壁の塗装工事を担当しています。

学生時代はバスケットボール部に所属していた齊藤さん。体力には自信があります。「高所での作業や、狭い場所に潜り込んで塗ることもありますし、重い資材を運ぶ場面も多い。見た目以上に体力が必要な仕事です」

盛岡市出身の齊藤さんが塗装に興味を持ったのは、高校3年生のとき。自宅にポスティングされた会社のチラシが目に留まり、「塗装の仕事って面白そうだな」と感じたのがきっかけでした。その後、会社見学や説明会に参加し、職場の雰囲気の良さを実感したことが入社の決め手になったといいます。

今でこそリーダーとして職人たちを束ねる齊藤さんですが、最初は失敗の連続でした。「早く仕上げようとするあまり塗り残しが出てしまい、職場の先輩から注意されることも多くて…本当に叱られてばかりでした」と振り返ります。

そこで学んだのが、「焦らず、まずは確実にやる」という姿勢でした。

「塗り終えた面を角度を変えて確認し、ムラがないかを丁寧に見るようにしました。スピードよりも品質を優先することを意識しているうちに、自然とスキルがついてきたように思います。慣れてきてから、少しずつスピードも意識できるようになりました」

「塗る時は、とにかく集中すること。それと、周囲をよく見て怪我をしないよう注意することも欠かせません」と齊藤さん

塗装の仕事は、仕上がった後の美しい外観が印象的ですが、齊藤さんは「重要なのは”塗る前の工程”です」と話します。

「塗装前に電動工具で屋根の表面を削り、塗料がしっかり密着するよう下地を整えます。この工程を丁寧に行わないと、どれだけきれいに塗ってもはがれてしまい、長持ちしません。目に見えない部分をしっかり仕上げることが、建物を守ることにつながります」

さらに、塗料が付かないようにビニールなどで覆う「養生」も欠かせません。

「ビニールを貼る順番や、塗装後にきれいに早く剥がせる貼り方など、細かな工夫があります。養生した箇所が少しでも曲がっていると、仕上がりにも影響してしまう。かといって時間をかけすぎるわけにもいかないので、スピードと確実さのバランスは今でも難しいと感じています」

下準備を徹底したうえで、ようやく”塗る”工程に入ります。「塗ることは楽しい」と語る一方で、その難しさも日々実感しています。

さまざまな道具を使い分けるなかでも、特に難しいと感じているのが、刷毛(はけ)塗りです。塗り重ねた部分が筋のように残ってしまうことがあり、艶の少ない塗料ほどその筋が目立ちます。

「刷毛の持ち方や手の返し方ひとつで、仕上がりが変わります。コツは、思い切りよく“サッー!!”と塗ること。何度も行ったり来たりせず、一気に塗り広げるほうが、きれいに仕上がります」

さらに、塗料の調色も簡単ではありません。乾燥後に色が濃くなることを見越して、その都度配合を調整します。下地の状態や素材によって適した塗料も変わるため、知識も求められます。

「塗ってみないと分からないことも多く、経験の積み重ねが大事だと感じています」

もともと器用なタイプではないという齊藤さん。「でも、塗ることは好きなんです。やり始めると夢中になります」

今後は、建築塗装技能士一級の取得を目標に掲げている齊藤さん。さらに、板金や雨どい工事、左官工事などにも挑戦し、できることの幅を広げたいと考えています。

「チームのメンバーから頼られる存在として、自分の技術ももっと高めていきたいです。塗装以外のことができるようになれば、現場で役に立つ場面も増えるはず。まだまだ知らないことも多いので、これからも現場で学び続けていきたいです」

できることを増やしていく。焦らず、一つひとつ確実に。
現場での学びを重ねながら、齊藤さんは今日も建物を守り続けています。

(取材時期:2025年12月)

川上塗装工業に興味を持った学生さんにメッセージ!

互いの個性を大切にし、アットホームな仲間がいる会社です。未経験でも着実にスキルアップでき、成長を実感しながら働けます。
「手に職をつけたい」「人の役に立ちたい」という意欲のある方はぜひ見学に来てください!

■川上塗装工業株式会社

2005年創業。盛岡市に拠点を置き、住宅塗装を中心とした外装メンテナンス事業を展開する会社です。屋根塗装に加え、屋根板金や大工工事などにも対応し、住まいを総合的に守る施工体制を整えています。建物の長寿命化と安心して暮らせる住環境づくりを通じ、地域に貢献する企業を目指しています。

▶シゴトバクラシバIWATE
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