みんなの想職活動

interview

2025/12/19 掲載

ススム働き方改革/19

働きやすい環境は、みんなで育てるもの

ネクストは、盛岡市に本社を構えるシステム開発会社です。ソフトウェア開発や情報処理サービス、IT人材派遣事業を手掛けており、2022年度からは職場環境の改善にも注力しています。

今回は、社長の滝浦重輝さん、営業推進部の大橋伸江さん、第一システム技術部(SE)の松嶋莉花さんに社内独自の働き方改革についてお話を伺いました。

2023年には「いわて働き方改革AWARD」優秀賞を受賞したネクスト。
いったいどのように「働きやすい環境」を実現したのでしょうか。

社内の「閉塞感」を打破!
主体性を高める方法とは

写真左から、営業推進部の大橋さん、滝浦社長、第一システム技術部の松嶋さん

働き方改革を実施する前の社内の状況について、滝浦社長は次のように語ります。
「会社の業績は安定していたものの、社員が業務に追われ、創造的な“遊び”の要素がなく、社内には閉塞感が漂っていました」。
特にシステム開発業界では、指示された作業をこなすだけでなく、自発的に行動し、付加価値を生み出すことが求められます。こうした業界特性を踏まえ、滝浦社長はこの閉塞感を打破し、社員の自由な発想から新たな価値を生み出す必要があると考えました。
そして、「自由に楽しく働ける環境を作ること」を目標に、2022年度よりさまざまな取り組みをスタートさせました。

ネクストの働き方改革は、社長と社員の日々のコミュニケーションの中からアイデアが生まれ、実現に至っています。社長自らが社員と対話を重ね、「あれがやりたい」「これが欲しい」といった現場のリアルな声を丁寧に拾い上げていきます。
例えば、事務作業の効率化。以前はExcelで提出が必要だった残業申請や日誌報告をキントーンに置き換え、申請者の負担を大幅に軽減しました。承認者側も紙への押印が不要となり、オンラインツールやスマートフォンからスムーズに承認できるようになりました。
また、ビジネスメールの作成や誤字脱字チェックでは、生成AIを活用。業務のスピードと精度の両面で効率化を実現しています。

社内環境の改善にも社員の声が反映されています。
「近くにコンビニがなくて不便」という声を受け、お菓子や軽食をいつでも購入できるオフィス菓子サービス、「goo+(グータス)」を導入。
また、「一日中座りっぱなしでは集中できない」という意見からは、立ち席の導入も実現しました。

こうした一つひとつの改善を通じて、「言ったら本当に変わる!」という実感が社員の間に広がり、自由に楽しく働ける環境を自分たちで作っていくという当事者意識が育まれています。

社員の声が形になるからこそ自発的な行動が増え、仕事にも良い循環が生まれていくのですね。

休憩室の模様替えも社員の声をもとに行われます

コミュニケーションを活発にする働き方

ネクストの代表的な取り組みのひとつに、年に2~3回実施されている「ワーケーション」があります。これは、インターネットが利用できる場所であればどこでも仕事ができるという柔軟な働き方で、レクリエーション要素も取り入れつつ、日常とは異なる環境に身を置くことで、リフレッシュしています。

企画段階から社員自らが主体的に関わり、これまでに自然豊かな川沿いや九戸村の古民家、スキー場などで開催されてきました。
ワーケーションを通じて、社員同士のコミュニケーションが一層活発になり、社内の雰囲気も明るくなったといいます。

さらに、交流を深めるコンテンツとして、春にはお花見、夏にはスイカ割りといった季節ごとのイベントも頻繁に開催しています。準備は社長と総務メンバーが協力して行い、エンジニアの業務負担が増えないよう配慮されている点もネクストらしい心遣いです。

雫石町旧橋場小学校でのワーケーションは、「子どもの頃の記憶を呼び起こすような良い体験」と話す社員も
地域の祭りで神輿を担いでみたい! という声に応え、花巻まつりに参加。社員同士だけでなく、地域との交流の機会にもなりました

「働く」と「楽しむ」を融合させた取り組みが、社内に前向きな流れをもたらしているのですね。

誰もが働きやすい
助け合いの文化

ネクストでは、子育て中の社員や若手社員が働きやすい環境を整えることにも力を入れています。
例えば、子どもが風邪などで休まざるを得ない時に、そのサポートをしてくれた社員に対して会社からドリンクとお菓子を無料で提供する券を渡す仕組みがあります。これにより、気兼ねなく休むことができる環境が整っています。
営業推進部の大橋さんも、時短勤務制度を利用しながら「会社のサポートにより安心して働ける」と話します。
社員同士がお互いに助け合う意識が心理的な負担を軽減し、子の看護休暇や時短勤務といった制度も利用しやすい環境が実現しています。

また、宮城のIT企業に勤め、東京で勤務していた松嶋さんは、ネクストのInstagramで楽しそうなイベントが多いことに惹かれ、転職先として興味を持ったといいます。
実際に入社してみて、メリハリのある働き方や良好な人間関係、頼れる社員の存在に居心地の良さを感じたそうです。
ネクストに所属している社員の入社理由、第3位には「雰囲気の良さ」が挙げられており、特に首都圏から入社を決める若手社員にとっては、自然を感じながら働くことができるといった地方ならではの環境に加え、社員同士が助け合う企業風土も大きな魅力となっています。

こうした取り組みの成果は、2026年度入社予定の社員のうち75%が女性であり、そのうち半数が首都圏からの新卒者であるという実績にも表れています。

働き方改革によって社内環境が整備されたことでこれまで男性が中心とされていたエンジニア職にも女性社員が増えてきました

「お互い様」の文化が根付いていると、誰もが安心して働くことができますね!

ネクストは次のステップへ…

事務作業の効率化や社員のモチベーションアップ、社内環境の改善といった既存の取り組みに加え、時代の変化や社員の状況に合わせて新たな制度を導入し、継続的な改善を図っています。

朝の時間の効率性を活かす文化を根付かせたいという思いから、2025年11月からは、新たに始業および終業時刻を最大1時間30分前倒しできる時差出勤制度、「マイモーニング制度」を導入予定です。全社員を対象としたこの制度は、それぞれの生活スタイルやその日の予定に合わせて柔軟に活用できる仕組みであり、ワークライフバランスの最適化や働きやすさの向上を目指しています。

ネクストの働き方改革は、制度を導入して終わりではなく、社員の声や時代の変化に応じて見直され、より良いものへと進化し続けていると感じました。
一人ひとりが無理なく、前向きに働くことができる環境を整えることで、社員の満足度や生産性の向上だけでなく、採用や定着にも好循環を生んでいます。

助け合いの気持ちを大切に、これからも「こうだったらいいな」という声を原動力にしながら、より働きやすい職場へと進化していくのだと思います。

(取材時期:2025年9月)

ネクストに興味を持った学生さんにメッセージ!

株式会社ネクストでは、一人ひとりの「やってみたい」という気持ちを大切にしています。
 チームメンバーと協力しながら、共に成長していける環境を整えています。
 開発の仕事は、仲間と意見を交わしながらお客様の課題を解決していく、やりがいのある仕事です。
 また、企業向けの支援だけでなく、岩手の学生と一緒にデジタルの面白さを分かち合いながら、地域とともに未来を育む取り組みを続けています。
 「岩手からITの力で地域を支えたい。」そんな想いを持つ皆さんを、心よりお待ちしています。

■株式会社ネクスト
株式会社ネクストは、岩手県盛岡市に本社を構えるIT企業です。C#やJavaによるシステム開発のほか、Microsoft Power Platformやkintoneを活用したローコード開発など、さまざまな手法でお客様の課題解決を支援しています。
 社員一人ひとりの成長を大切にし、柔軟で働きやすい職場環境づくりにも力を注いでいます。
 また、地域の子どもたちにプログラミングの楽しさを伝える活動や「学生デジタルアイデアコンテスト」の開催を通じて、デジタル人材の育成と地域の未来づくりにも積極的に取り組んでいます。

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