interview
2023/10/5 掲載
世界に推したい企業/01
日本の防災をリードする会社が岩手にあることを知っていますか?その名は北良株式会社。北上市の本社でその活動や想いを聞いてきました!
・日本全国の災害現場に駆け付け被災者を支援!
・世界も注目! 「誰でも、どこでも、自由に暮らす。」を実現
・岩手から全国のパートナーと共に世の中を変えていく
岩手の暮らし・ものづくり・医療を支える「北良」では、どんな事業をしているのでしょう?
家庭用のLPガスはわかりやすいですが、ほかには?
ガスには、酸素・窒素・炭酸ガスなど、多様な種類があり、機械部品の強度アップ、橋や建築物の溶接、食品の腐敗防止、ビールの炭酸など、さまざまな場面で活躍しています。
また、人工呼吸器や麻酔、近年ではロボット手術など、医療現場にも欠かせない存在になっているガス。北良も、病院や在宅医療患者へ医療用ガスを供給しています。
そんななか発生したのが、東日本大震災。
電気・水・ガスというインフラが機能しなくなった有事に、在宅患者の人工呼吸器は動作しているのか、必要な酸素は供給できているのか、彼らの安否を確認するために同社の社員たちは広い岩手県内を駆け回り酸素ボンベや支援物資を届けました。
その経験から、「災害で命を落とす人をもう一人も出したくない」と「医療と防災のヒトづくり×モノづくりプロジェクトが始まりました。
最初に開発したのは、持ち出し可能な在宅医療の安否確認システム「ANPY」。
停電が起こっている場所を一戸単位で把握できるほか、GPS機能を備えているため、患者がどこに避難しても酸素を届けられることができ、今では全国で利用されているそうですよ。
「ガス会社では珍しいかもしれませんが、機械、電気、IT、医療など多様な分野の専門家が揃っており、災害対策についても様々な取り組み方ができるんですよね」と話すのは笠井健社長(49)。
震災を経験し、「民間企業が、社会課題を解決することにもっと力を割くべきだと直感的に思った」と、需要があれば全国へ足を運びます。
2016年の熊本地震の支援では、断水による二次災害に遭遇。
「せっかく助かったのに避難所で手が洗えず感染症が発生し、2次災害が起きたことを知り、衛生的な水がなければ人の命は守れないことを強く感じました」と笠井社長。
何かできないかと考える中で出会ったのが、使った水を繰り返しきれいに使えるシステムを研究しているWOTA株式会社でした。
笠井社長はすぐに協力関係を構築し、ポータブル水浄化システム「WOTA BOX」が完成します。
そのすぐ後に2018年の西日本豪雨が発生。同社はWOTA BOXとシャワーブース機材を携え、被害を受けた岡山県の避難所でシャワー提供を可能にしました。
その後WOTA BOXは、長野、千葉、静岡など全国の被災地で活躍し、2023年の秋田の水害においては、NTTグループやソフトバンク株式会社と、民間企業で共同支援を行うという初の試みも実現しました。
「岩手の会社でも、自分たちのアイデアをもとにして、全国の大企業と一緒に、世の中を変えていけるというところが、僕らが取り組んでいることのおもしろさだと思います」と笠井社長は話します。
(取材時期:2023年9月)
北良に興味を持った学生さんへメッセージ!
北良では産直以外にも、他の会社では見られない珍しい取り組みをしています。社員の働きやすさだけでなく、その家族の健康や生活が充実することも大切にしている会社です。ぜひ一度見学に遊びに来てくださいね
■北良株式会社
1954年、酸素ガスの取り扱いから事業をスタートし、家庭用・産業用・医療用のさまざまなガスを供給。近年はメガソーラー発電事業、災害に強い社会を目指した防災事業にも取り組み、全国・世界から注目を集めています。
▶︎企業紹介|シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/44000010062410