みんなの想職活動

interview

2023/11/20 掲載

岩手で仕事はじめました/03

仕事場はひろ〜い牧場、豚とのふれあいが癒し【前編】

岩手出身でUターンした人、県外からIターン・Jターンした人など、岩手で働き始めた社員さんをご紹介! 今回は新卒入社を機に岩手へ移住した、株式会社アークの平川深悠(みゆう)さん(23)の登場です。

平川さんは千葉のご出身で、茨城の大学に通われていたんですね。岩手に来たきっかけは?

もともと、アジアの農業に興味があったので、留学制度がある茨城の大学に進学したんです。ところが、コロナ禍で留学が全面中止になってしまって。周りの友達は内定をもらい始めているし、自分も何かしなきゃと思っていたときに、「ジョブカフェいわて」で農場体験ができるワーキングホリデーを知りました。

岩手に行ったことはなかったんですが、行くなら遠いほうが楽しいだろうと思って申し込みました。

農場での体験はどうでしたか?

一戸町の農場で乳牛の世話をしたんですが、仕事自体が新鮮で、知らないことをいろいろ学べるのがいちばん楽しかったです。搾乳をしたり、仔牛に溶きミルクを飲ませたり。牛の赤ちゃんのかわいさに癒されながら働きました。

ではそのまま農場に就職を考えたのですか?

大学では米について専攻していたので、就職は米か花の生産に携わる会社にしようと考えていました。

その後、インターンシップにも参加してみたのですが、給与面など、なかなか納得できる会社を見つけられずに…。そこで動物関係の求人も探してみたら、都内でアークの会社説明会が開催されることが分かって参加しました。岩手から来た採用担当者が親身に説明してくれ、しかもその方が偶然同じ千葉出身だったんです。ワーキングホリデーを体験した土地ということもあって、自分も岩手で暮らしていけるかも、とイメージが湧きました。

農業関係の企業の中では休みが比較的多いことや、福利厚生が手厚いことも教えてもらい、アーク一本に絞って就活をしました。

千葉から岩手への移住は、大きい決断ですよね。北国で暮らす不安はなかったですか?

実は寒いのがすっごく苦手で。でも一関の冬は雪も少ないし、着込んだり暖房の使い方を工夫したりしてなんとか過ごしています。

家族にはアークの会社説明会に参加したことを後から報告したので、岩手に行くと知ってびっくりしてましたね。離れた土地で暮らすのはさみしかったんじゃないかなと思うんですけど、就職が決まると「応援してるよ」と送り出してくれました。

「豚ってほんとにかわいいんですよ!」と満面の笑みでお話ししてくださる平川さん

アークでは、どんなお仕事をされていますか?

アークには有機野菜や卵の生産販売をする農牧部や、ハム・ソーセージなどを販売する製造販売部などがあります。私は養豚事業部に配属になり、花泉にある養豚場でお母さん豚や子豚の世話をしています。

種豚舎で母豚に種付けをし、お腹にいる子豚がすくすく育つように、餌の量を調節しながら健康管理をするのが主な仕事です。出産が近づいたら分娩舎に移し、生まれた子豚を1ヶ月ほどお乳で育てます。花泉農場では全部で4千頭くらい豚を飼っていて、耳についているタグで識別しているんですが、覚えやすい番号やかわいいなと思った豚にはつい会いに行っちゃいます。

動物の命を扱う現場では、予測しづらいことも起こるのでは?

人間と同じで、豚も肺炎にかかることがあるんですよ。治療をしたり、感染が広がるのを防ぐために別場所へ移動させたりと、緊急時にはすぐに対応しなければなりません。

アークはチームワークがいいので、豚たちに何かあったときには協力して対応することができています。「体調が悪いときは無理しないでね」と言ってもらえるし、養豚は体力勝負の仕事だからこそ、社員同士補い合いながら働ける環境はありがたいですね。

母豚候補の豚さんたちと。仕事は効率よくスピィーディーに進めることを心がけているのだそう

働いてみて、うれしかったできごとはありますか?

実家の母がアークのブランド豚の定期便を注文していて、「ソーセージおいしかったよ」とか「今晩はシュウマイを食べました」とか写真を送ってきてくれるんです。養豚場の中で働いているとお客様と触れ合う機会ってあまりないんですけど、こうしてつながりが感じられたときほどうれしいことはないです。

たしかに、生産現場には声が届きにくいですよね。

会社ではお客様の声を全社員に配信する「スマイルアップ委員会」という取り組みをしています。「豚肉が甘くておいしかった」「心をこめて作っているのだと思います」という感想や、「お体に気をつけて頑張ってください」というお便りもありました。お客様の声を聞くと頑張れるな、と思いますね。

後編につづく!

(取材時期:2023年10月)

アークに興味を持った学生さんにメッセージ

弊社では循環型農業と6次産業を実現している会社です。農業を多くの若者が夢を持って働ける産業にする!をミッションに、あなたの大切な人に、安心して食べさせられるものを一緒に作りましょう。
株式会社アーク 総務部長 押田 力 

■株式会社アーク
ブランド豚「館ヶ森高原豚」を生産する養豚業を基幹事業とし、養鶏、有機野菜栽培、ガーデニング等の1次産業、ハム・ソーセージ、パン等を製造する2次産業、それらを食材としたレストランや直売所、通販、百貨店での販売等の3次産業、家畜排泄物を活用した有機肥料製造事業を行っています。

▶︎企業紹介|シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/14005010008200