みんなの想職活動

interview

2026/1/5 掲載

こんな仕事があるのか岩手/20

会社の「困った」を支援する総合プロデューサー

「地方は仕事が少ない…」と思っているとしたら、誤解かも! 岩手には意外な職種や面白い仕事がいろいろあるんです。今回紹介するのは「パステル館」でおなじみの平金商店。実は快適なオフィス空間を作り出すために、さまざまな角度から提案する総合プロデューサーのような会社だったんです。具体的にどんなことをしているのか、取材してきました。

「平金商店」といえば、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか?

文房具のパステル館! …ということは、文房具を取り扱う会社なのでは?
そう思った方が多いのではないでしょうか。

平金商店の創業は1767(明和4)年、江戸時代にさかのぼります。酒や醸造品、切手類を扱う「近江屋」として始まり、時代の変化に応じて取り扱い品を変えてきました。1879年(明治12年)には和洋紙・筆・墨・硯(すずり)・お茶などを市民向けに販売する「平野金八商店」を設立。昭和初期の金融恐慌、戦時中の混乱を乗り越えて、1949年(昭和24年)に現在の株式会社平金商店が誕生しました。以来、ボールペンやノートなどの文具から、大量の印刷物を高速で印刷できる輪転機やコピー機といった事務機器、さらには和文タイプやワープロ、パソコン、ネットワーク構築まで、その時代の最先端の働き方を追求して、仕事を快適にする商品やサービスを提供してきました。

「社会の変化を読み解きながら、こうして提案商品を常に拡大し続けてきました」と鈴木常務

「クライアントは官公庁や学校、一般企業など幅広いですね。文具や機器に加えて、オフィス家具や職場の空間デザインも自社で手がけています。さらに、作業効率を高めるシステムやアプリの導入、省エネ・コスト削減につながるLED照明の提案なども行っています。仕事空間をより良くするために、用途やシーンに応じて多角的に提案する——いわば総合プロデューサーのような感じでしょうか」と常務の鈴木誕人(すずき・のぶと)さんは話します。

平金商店には、パステル館でおなじみの店舗部のほかに、今までの知識や技術と独自のネットワークを活かして、最適空間をトータルで提案する営業部と管理部があります。会社の主体となる営業部には、大きく分けて4つのチームがあります。

まずは、お客様が仕事をする上で抱える顕在的・潜在的な課題を可視化し、デジタルツールを用いてその課題の解決を支援するDX推進担当。業務効率を高めるシステムやアプリの提案を通じて、DXによる働き方改革をサポートしています。

DX推進担当と連携しながら、実際にクライアントの会社に訪問し、パソコンやサーバーなどのハードウェアの提供やセットアップ、ネット環境やクラウドサービスの構築などの設備導入を担うのがシステムCE担当です。

1日の予定をシステムに書き込むことで、デジタルサイネージに各社員の予定が表示されるサービス(一例)。急なスケジュール変更があっても、外出先から書き込めるので便利
「お客様によって悩みや課題は様々で、解決の糸口を見出し、システムを導入して使ってもらったなかで『ありがとう』と喜んでもらえることが原動力になっています」と話す、DX推進担当の畠山将さん
DX推進担当から引き継ぎ、システムCE担当はソフトをセットアップする

オフィスの照明や空調の提案・販売、職場空間のデザインから施工までを担うのは、環境事業担当。照明・空調の専門スタッフに加え、パースや図面を描けるデザイナーなど、環境デザインに関わるプロが集まっています。

来客が多い空間には暖色系の照明を提案して落ち着いた雰囲気を演出し、オフィスなど活動的な場では自然光に近い昼白色をご案内するなど、シーンに応じた照明を提案する
「いろんなメーカーの商品を取り扱えるので、その分覚えることも多いですが、それが仕事の面白さにつながっています」とLED担当の畑中健吾さん

最後にいわば営業窓口となり、事務用品からオフィス環境整備の提案まで、お客様のお悩みやニーズに合わせて総合提案するのが顧客ソリューション担当。内容に応じて部内の他部署と連携し、お客様へご提案します。

平金商店の最大の強みは、オフィス環境を改善する際に複数の業者へ依頼していたやり取りを、すべて一本化できることにあります。通常であれば、内容ごとに別々の業者へ連絡し、日程を調整していたことが、平金商店に頼めばその手間と時間を短縮することができます。

例えば、作業効率を高めるためDX推進担当とシステム導入の相談をしている延長線上で、「省エネ対策で照明をLEDにしたい」という悩みが出た場合、担当スタッフはすぐに社内の専門部署へ報告し、連携します。顧客情報は名刺管理システムで常に共有されており、社内では部門を越えたミーティングも定期的に行われています。安心して任せられるサポート体制が人材的にも環境的にも整う現場だからこそ、総合的にオフィス空間をプロデュースできるのです。

交換した名刺を読み込むことで、社内全体にその情報を共有できるシステム(一例)など

こんなにも社内連携がスムーズなのはどうしてなのでしょうか? それは4つのチームがワンフロアに集合し、垣根を超えた会議や報告会が日常的に行われているからです。そのほか、デスクを固定しないフリーアドレス制を採用、各種コミュニケーションツールを導入するなど風通しの良い環境づくりのためにさまざま取り組んでいます。

また、お客様に提案するものをまずは体感してみようというモットーのもと「Grow Park」と呼ばれる体感オフィスを2019年に開設。まずは社員が実際に販促アイテムやDX推進ツールを使ってみることで、商材への理解を深め、提案のポイントをつかめるようにしています。自分たちの経験や知見があるからこそ、お客さんへ提案に深みが増していく——こうした環境づくりも、平金商店ならではの特徴です。

「Grow Park」の様子。昇降式のデスクやバリエーション豊かな椅子、照明など、さまざまなアイテムをまずは社内で試している

これほど多くの部署があると「各業界から人材を引き抜いてきたのでは?」と思いがちですが、実際には勤勉で熱心な社員が勉強会や研修会に参加しつつ、現場で経験を積み重ねて活躍している人がほとんど。鈴木常務は「新しいことにも前向きに取り組める人、好奇心旺盛な人、チャレンジ精神がある人が向いている職場だと思います」と話します。

「これ、やってみたい」というアイデアに対して、ボジティブな意見やアドバイスが生まれる平金商店。年齢や経験値に関係なく意見を交換し合えるオープンな雰囲気が、向上心の芽をぐんぐんと育ませているのだと感じました。

(取材時期:2025年9月)

平金商店に興味を持った学生さんにメッセージ!

私たちは、オフィスを単に「整える」だけでなく、働く人がもっと快適に、もっと創造的になれるオフィス空間をつくる仕事をしています。企業の働き方や業務プロセスそのものに新しい価値を生み出し、組織全体がより前向きに動き出す——そんな“変革のきっかけ”をつくることが私たちの役割です。あなたのアイデアやチャレンジする気持ちが、地域の未来を動かす力になります。まずは気軽にお問合せください!

■株式会社平金商店 
文房具や事務機器の販売のほか、オフィス空間のデザイン、省エネ化、DX導入まで総合的にサポート。働きやすい環境をトータルでプロデュース・提案している地元に根差した、歴史ある会社です。

■企業サイト
https://hirakin.com/