みんなの想職活動

interview

2025/10/23 掲載

ススム働き方改革/16

社内のDX化でムダとコストを大幅カット!

盛岡駅西通りに本社を構えるワイズマン。介護施設や病院などの現場と、患者の家族をつなぐシステムの開発・販売・製品サポートまでを一貫して担うICT企業です。

病院の請求業務システムや電子カルテ、患者のバイタルや食事の量を記録するシステムなど、提供しているサービス内容は多岐にわたります。これらのシステムを導入することで、介護・医療現場の連携や省人化に貢献し、素早く正確な情報共有が可能になるというメリットがあります。

北は北海道から南は福岡まで、13の支店でおよそ550名が働くワイズマンでは、課題となっていた労働時間の削減をきっかけに、さまざまな働き方改革に着手しました。その取り組み内容を、総務部の谷崎愛親子(たにざき・えみこ)さんと人事部の千葉慶臣(ちば・よしおみ)さんにお聞きしました。

ワイズマンが開発した医療・介護連携サービス「メルタス」。法人内や地域での医療施設・介護事業所における多職種間のコミュニケーションと情報共有をスピーディーに支援します

業務の集約とデジタルツール導入で生産性アップ

働き方改革関連法が施行された2019年。まず取り組んだのは、労働時間の削減でした。社員一人ひとりの生産性を向上させるため、業務フローそのものを徹底的に見直したといいます。

「社員は一人一台ずつパソコンを使っているのですが、これまでは各部門でメーカーを選定し見積もりを取り、総務部への申請・発注を行っていました」と話すのは、総務部の谷崎さん。部門によってバラバラだった物品の手配やセットアップ、修理などを総務部で一括して取りまとめました。

これにより、取り組みから2年目でパソコンのセットアップから修理にかかっていた社内の作業時間を2,881時間カット。また、購入するメーカーを揃えて価格のバラつきをなくしたことにより、パソコンの新規調達コストはおよそ368万円削減されました。

さらに販売促進課では、パソコン上の事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術・R P A(Robotic Process Automation)を導入。オペレーターが入力した顧客情報は、ロボットが営業エリアへの自動振り分けを実施します。ほかにも、コミュケーションツールやeラーニングシステムを導入するなど、さまざまな場面で最新技術を取り入れた業務効率化が進んでいます。

社内すべての会議室に大型ディスプレイ・スピーカーを設置。完全ペーパーレス化を実現させました
サクッと短時間で話し合いたいときに活用されている、立ち会議スペース。デスクワーク疲れの解消にもなると社員から好評です

社内の働き方を一斉に見直し、かつデジタル化を積極的に進めたことで、作業時間とコストの大幅カットが実現できたのですね。

男性育休取得率60パーセント!
男性も女性も安心して働ける職場づくり

岩手県の男性育休取得率が平均43%(2024年度)であるのに対して、ワイズマンでは60%と高い取得率を打ち出しています。

社内報では、育休を取得した男性社員を紹介。上司や同僚がサポートしてくれたエピソードや、家族から感謝されたコメントなどを載せているそう。「育休を取りたいと思っている男性社員の背中を後押しし、育休中も復帰後もみんなで支え合って働きましょうという雰囲気づくりにもつながっています」と谷崎さんは話します。

また、コロナ禍をきっかけに在宅勤務制度を導入。加えて、計画有休や時間単位で取得できる有休制度も設けました。通院のため数時間会社を抜けたい場合や、家族の用事に付き添うなど、さまざまなケースに活用されています。

お話をうかがった谷崎さん(左)と千葉さん(右)。ともに新卒で入社し、20年以上勤務。「人事制度の見直しが、少しでも社員にとって良いものになるようにという思いが私のモチベーションです」と千葉さん

さまざまな働き方を尊重し、選択肢が増えているんですね。

新人ならではの悩みは、
O J Tでしっかりサポート

新卒・中途採用を問わず、入社後のフォロー期間がどのくらいあるのか不安、という方は多いのでは? ワイズマンでは、新入社員には1年間O J T(=On the Job Training)担当がつき、サポートする制度が整っているのだそう。O J T担当を任された社員も、適切な指導ができるよう研修を受けているといいます。

新入社員とO J T担当のコミュニケーションには、デジタルツール「レコブック」を活用。その日の業務報告や質問をコメント形式で書き込むことができます。こうしたツールを使うことで、「いわば交換日記のような形で、悩みや本音を書き込むことができる効果もあるんです」と千葉さんは話します。

また、採用面接は2回に分けて実施。1次面接はオンライン制度を導入したことにより、全国からの応募者が増えたといいます。「面接を2回行い、採用側と応募側のミスマッチを極力減らすように努めていることも高い職場定着率につながっているのでは」と分析する千葉さん。こうした採用時のきめ細やかな対応と、入社後の手厚いフォローが功を奏し、新入社員の職場定着率は96%となっています。

社員平均年齢39歳のワイズマン。若手社員が活躍しています

システムや医療、介護業界についての知識など、覚えることがたくさんある新入社員。その期間に「レコブック」を活用して本音や悩みを吐露できることで、仕事のモチベーションが保てるように工夫されているのですね。

デジタル技術を活用し、組織全体の変革を目指すD X化を進めているワイズマン。社内の業務フローや残業目標時間などがグラフで明確化され、どの社員にも分かりやすく情報共有されているという印象を受けました。

「今後は女性管理職の割合を増やし、活躍できる場を設けていきたい」と話す谷崎さん。ソフトウェアの力を駆使して社会に貢献したいという想いと共に、ワイズマンはますます働きやすい職場へと変化を遂げています。

(取材時期:2025年7月)

ワイズマンに興味を持った学生さんにメッセージ!

ワイズマンは、医療・介護・福祉現場で働く方々をITの力でサポートする業務支援システムを提供しています。生活の基盤となる医療・介護・福祉を支えたい、お客様の課題解決に取り組みたい、そんな想いを持つ方を歓迎します。

■株式会社ワイズマン
1983年、パソコンショップとして創業。地域の医療・介護・福祉を支える「なくてはならない企業」を目指し、医療システムの企画開発・販売、サポート事業を展開しています。全国13社の支店のほか、「wiseman Tech Lab.」を東京に置き、最新テクノロジーの開発やA Iを駆使した製品開発の研究を行っています。2024年「いわて働き方改革AWARD」受賞。

▶シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/20100011545030