interview
2025/9/12 掲載
わたし○○な新人です!/13

初めての社会人生活はドキドキとワクワクの連続!いろんな業界で奮闘するピカピカの新人さんたちをご紹介します!今回は、2023年に陸上自衛隊に入隊した佐治紗千(さじ・さち)さんが登場。「困っている人を助けられることが一番のやりがい」と語る彼女に、詳しいお話を伺いました。
1957年に開設された陸上自衛隊岩手駐屯地では、約1400名の隊員が日々の訓練に励み、いつでも国防や災害派遣、海外での平和協力活動が行えるよう備えています。今回は、その岩手駐屯地で働く佐治さんをご紹介!自衛官として、どのような毎日を送っているのでしょうか?

佐治さん、今日はどうぞよろしくお願いします!早速ですが、自衛隊を志望した理由を教えていただけますか?

学生の頃から体を動かすのが好きで、将来は人の役に立つ仕事がしたいと思っていました。両親から公務員を勧められ、警察官か自衛官かで迷っていたんです。そんなとき、自衛隊の地方協力本部の方とお話する機会があって、いろんな土地で働ける自衛隊に魅力を感じて志望しました。


一般幹部候補生の試験に合格して入隊したと伺いましたが、現在の階級を教えて下さい。

私は3等陸尉です。陸上自衛隊の階級は大きく分けて「士」と「曹」、「幹部」があり、一般幹部候補生は一定期間の教育を受けた後、配属先で幹部である3等陸尉の階級が与えられます。

配属と同時に部下ができるのは大変そうですね

候補生の段階で幹部に必要なことを学びますが、経験値はゼロに等しいので戸惑うこともあります。でも上官はもちろん、曹士の皆さんも頼れる人ばかりなので安心できます。2025年度からは、幹部以下の「陸士」から経験できる「幹部候補曹」という制度が始まりました。経験を積んだ上で幹部になれるので、じっくりステップアップしたい人に向いていると思います。


現在はどのようなお仕事をされていますか?

日常的な事務仕事を恒常業務と呼びますが、そこでは後方幹部として働いています。訓練で使う物品や車両の点検、整備が正しく行われているかチェックするほか、整備のスケジュールや計画を立てるのが仕事です。また、訓練などの際は前進観測班長の任務に就きます。

前進観測班長というと?

私が所属しているのは特科連隊といって、大砲などを撃つ部隊です。身の安全を確保した上で目標へ近づき、正確な位置を観測して弾を撃つ戦砲隊へ指示を出すのが仕事です。

目標の近くということは、着弾したときの衝撃が凄そうな気がしますが…。

最初は驚きましたが、安全な距離を保つので大丈夫です。衝撃だけで考えれば、実際に弾を撃つ隊員の方が大きいと思いますよ。


先輩から教わったことで、印象に残っている言葉はありますか?

幹部候補生のときに教官から教わった「準備が8割」という言葉です。私はすぐに緊張するタイプで、訓練前は「失敗したらどうしよう」と不安になってしまいます。でも事前に準備をすることで、対処できる幅が広がります。そして残りの2割は、「自分ならきっとできる」という気持ちを持つことだと教えていただきました。大切なのは、起こり得るトラブルと対処法を想定しておくこと。その場で考えると判断が遅れてしまいますが、事前に備えておけば瞬時に対応できるんです。

自衛隊の指導は厳しそうなイメージがありますが、その点についてはいかがですか?

私にとっては働きやすく、優しい職場だと感じています。もちろん命の危険が伴う仕事なので、自分と仲間を守るための厳しさはあります。ただ、なぜこの訓練が必要なのか、どうしてこの意識や行動が必要なのかといった理由をちゃんと説明してもらえるので、「やらされている」という感覚はありません。


佐治さんは、どんな所にやりがいを感じていますか?

やはり、人の役に立てることです。もちろん災害も争いもない平和な世界が一番ですが、いざというときに困っている人を助けに行くことができる。これが自衛官の魅力ですし、そのためなら命を懸けてもいいと思える仕事です。

最後に、今後の目標を教えて下さい。

これからも今の仕事を続けていくことと、プライベートも大切にすることです。私は仕事とプライベートを明確に分けるのではなく、両方あるからこそ人生が充実するのだと思っています。そうした時間を過ごしながら、自分を成長させていきたいです。
佐治さんは、「誇りを持って働く」新人さんでした!
学生時代に抱いた「人の役に立つ仕事がしたい」という思いを形にし、自衛官の仕事に大きなやりがいを感じている佐治さん。自衛官としての誇りを胸に、今日も仲間とともに訓練を続けています。
(取材時期:2025年8月)
陸上自衛隊に興味のある学生さんにメッセージ!
自衛隊は、北は北海道稚内市から南は沖縄県与那国島まで全国に展開し、防衛の任務に従事しています。さらに、国際貢献など、世界で活躍できる機会もあります。岩手駐屯地は県内唯一の陸上自衛隊の駐屯地です。郷土部隊の一員として、一緒に平和を守る仕事をしませんか?

■陸上自衛隊岩手駐屯地
岩手県内唯一の陸上自衛隊駐屯地として、1957年に開設。現在は東北方面特科連隊、第9偵察戦闘大隊、第9高射特科大隊、第9後方支援連隊第2整備大隊、第387施設中隊および諸隊が駐屯しています。所属隊員の約75%が岩手県出身で、合言葉は「ONE TEAM 岩手駐屯地・県民と共に未来へ」。採用試験などの問い合わせは、岩手地方協力本部(019-623-3236)で受け付けています。
▶︎自衛隊岩手地方協力本部HP
https://www.mod.go.jp/pco/iwate/index.html