interview
2025/7/15 掲載
こんな仕事があるのか岩手/15

「地方は仕事が少ない…」と思っているとしたら、それ、誤解です。岩手には意外な職種や面白い仕事がいろいろあるんです。今回は、株式会社岩手ビッグブルズの広報として働く小船玲菜(こぶね・れな)さんにインタビュー。プロのスポーツチームをどのように運営しているのか、詳しいお話を伺いました。
2025年5月に、念願のB2リーグ復帰を果たしたプロバスケットボールチーム「岩手ビッグブルズ」。復帰が確定した試合の観客動員数は、ホーム最多の4,255人を記録し多くの人たちの歓声に包まれました。その光景を誰よりも近くで見守っていたのが、クラブを運営している株式会社岩手ビッグブルズのメンバーです。
同社は、「岩手に貢献できるチームになろう!」という思いを胸に、2010年12月に設立。その3ヶ月後に東日本大震災が発生し、社内ではチームを存続させるべきか何度も話し合いが行われました。しかし、復興の活力となるべく継続を決意し、今も地域密着型のクラブとして活動しています。

「私たちは、たくさんの人に試合を見ていただけるチームを目指しています。そのため、ホーム最多の動員数を達成したときには感動しました」
そう語るのは、広報を担当している小船玲菜さんです。小船さんは中学の頃から岩手ビッグブルズの試合を観戦していて、大学時代にはチアリーダー「Red Charm」に所属。入社後はチアに関する業務をメインに行い、2年ほど前から広報の配属になったそうです。

「広報は、試合への帯同やSNSを使った情報発信、HPの更新、メディアリリースの作成など、幅広い業務があります。チームの魅力を知っていただく重要な仕事なので、SNSでの言葉の選び方や写真の撮り方などに気を配っています」
土日は試合に帯同し、他県にいることが多いという小船さん。移動する忙しさこそあるものの、シーズン中は業務をルーティーン化できるため、それほど大変ではないと笑顔を浮かべます。なにより観客で埋まった試合会場を見ると、大きなやりがいを感じるのだそう。
「私がチアでパフォーマンスをしていた頃は、平均して500人くらいの動員数でした。その頃の光景を覚えているので、こうしてたくさんのブースター(ファン)に応援してもらえることが嬉しいですし、広報としてやりがいも感じています」

小船さんが在籍している事業部では、情報発信のほか、試合会場で行うイベントの立案や運営もあります。岩手ビッグブルズでは、インターンシップやふるさとワーキングホリデーを積極的に受け入れていて、それらに参加した人たちの意見も採用しながら多彩なイベントを行っています。
「インターンシップに参加した学生は、選手がサインしたフライングディスクを客席に投げ込みコミュニケーションを図る企画を考えてくれました。また、ふるさとワーキングホリデーで来てくれた学生が提案したのは、試合会場での謎解きです。全ての謎を解いたらシールをプレゼントするというもので、たくさんのご家族連れに楽しんでいただきました」

ほかにも学校の校内放送で、選手たちによる試合の告知やチラシ配布、盛岡市と矢巾町の小学1年生にチームマスコット「BULLZO」が描かれた自由帳のプレゼントなどを実施。地道な活動を続けることで、少しずつブースターを増やしていったのです。
最後に小船さんは、「当社は岩手のプロスポーツの先駆けとして、これからも先頭を走り続けていきます。また、新シーズンに向けて楽しい企画を用意し、たくさんの人に足を運んでいただきたいと思っています。岩手の元気につながるチームを目指しているので、スポーツやクラブの運営に興味がある人にぜひ仲間になっていただきたいです!」と、語ってくれました。
(取材時期:2025年6月)
岩手ビッグブルズに興味を持った学生さんにメッセージ!
岩手の魅力は?と聞かれた際に、岩手ビッグブルズがあること。と答えていただけるような、地域に根差したクラブを目指しています。ここでは自分次第でやりたいことに挑戦できる環境があります。失敗を恐れず、様々なことに挑戦できる方と一緒にお仕事できたら嬉しいです。お待ちしてます。

■株式会社岩手ビッグブルズ
2010年に、岩手でプロバスケットボールチームを発足するため会社を設立。チーム経営が業務の全般を占めており、スポンサーとの交渉やホームで行う試合の運営などを手掛けています。東日本大震災からの復興の活力となることや、地域貢献を理念に据えて活動している企業です。