みんなの想職活動

interview

2025/3/31 掲載

ジャジャーン!自慢プロダクト/09

美味しさギュッと缶詰に 贈りたくなる「備蓄食」

普段よく目にするモノから、知る人ぞ知るスゴいモノまで、ものづくり王国・岩手には、おもしろいプロダクトがいろいろ!ここでは、メーカー自慢のプロダクトと、それにまつわる開発ストーリーをお届け。今回登場するのは、釜石市に本社を構える、岩手缶詰株式会社の缶詰「Gift&Stock」。2022年の「第9回 新東北みやげコンテスト」では最優秀賞に輝き、2023年度にはグッドデザイン賞も受賞しています。そんな缶詰の開発に至るまでの経緯や思いを、営業グループ課長の阿部常之さんにお話を伺いました。

缶詰は、長期保存可能で、毎日のレシピからお酒のお供、いざという時の非常食まで、幅広く活躍してくれる便利なアイテム。最近では、ギフトとして贈るのにもぴったりな、おしゃれなデザインの缶詰も店頭で見かけるようになりました。

なかでも、パステルカラーの2色づかいと大胆なデザインが目を引く「Gift&Stock」は、魚とリゾットの組み合わせにも興味をそそられ、思わず手にとりたくなる缶詰です!

部屋に置いていても自然と馴染む、おしゃれなパッケージ

こちらの「Gift&Stock」、道の駅やお土産屋さんなどでたびたび見かけていて、気になっていました!まず、どんなコンセプトの商品か教えてください。

「大切な人にあげたくなる、部屋にもおきたくなる、おいしい備蓄」をコンセプトとした、三陸産の魚介を使ったリゾットの缶詰です。長期保存を可能とした災害時の非常食でありながら、日々の食事に取り入れても美味しくて、大切な人にお土産やギフトとしても贈りたくなる…そんな「備蓄食」としてブランド展開しています。
缶詰って、棚の奥にしまったまま、気づいたら賞味期限が過ぎてしまった…なんてこともあると思うんです。でも、こういったおしゃれなデザインであれば、日常から手の届く場所において、活用していただきやすいのかなと思います。

たしかに、部屋に飾りたくなりますし、ギフトを贈った相手にも喜んでもらえそうです!リゾットにはどういったこだわりがありますか?

三陸の海の豊かな自然に育まれた新鮮な魚介類(イカ、イナダ、サバ)と、宮城県産のひとめぼれの玄米を組み合わせており、カレーやトマトベースなど老若男女問わず誰もが好む味付けです。お米の食感を残しながらも、ほどよい柔らかさで、これ一つで主食になるような食べ応えのあるリゾットに仕上げました。温めずそのまま食べても美味しく召し上がれます。

魚介類がゴロゴロ入っており、素材一つひとつの旨みと食感が楽しめます。温めるとより香りが引き立ち、舌触りもなめらか!

開発にあたって、苦労したことはありますか?

お米の食感を残して、常温で美味しいご飯の缶詰をつくるのは、想像以上に難しかったです。缶詰は、製造工程の中で110℃~120℃ほどの温度で殺菌することで、長期保存が可能となります。ですが、その方法で普通のお米やアルファ米で炊くと、冷めると水分が抜けて硬くなってしまいます。水の割合を増やした状態でおかゆの缶詰やパウチもつくってみましたが、食べ応えがないし、もう少し味とカロリーがほしい…。そうして何度も試作を重ねるうちに、たどり着いたのが玄米を使ったリゾットです。玄米を使うことにより食感を保つことができ、冷めても硬くならず美味しく食べられる缶詰にたどり着きました。

缶詰に入れている魚介は、新鮮な状態でカットし、丁寧に洗浄することで臭みを抑えています

細かい調整や工夫を重ねて、理想の食感にたどり着いたのですね!そもそも、ご飯の缶詰をつくろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

もともと「主食になる缶詰をつくりたいよね」という話はあったのですが、開発までにはいたりませんでした。大きなきっかけとなったのは、東日本大震災です。沿岸部の工場が被災し、缶詰を保管していた倉庫が津波に流されてしまいました。あとから聞いた話ですが、その流されてしまった缶詰を、被災された方が拾って食べたことによって、生きながらえたのだそうです。
缶詰がいざという時に役に立つのだと改めて実感したと同時に、美味しくてカロリーのある主食缶をつくりたいと考えたんです。

そうした思いが、「Gift&Stock」を生んだのですね。

ただ、商品開発は進んだものの、備蓄をもっと身近に感じてもらうにはどう売り出せばよいものか…と悩んでいました。そんな時、広告代理店の東北博報堂さんから「防災食を一緒に開発しないか」と提案があり、備蓄食品をお土産として大切な人に贈るというアイデアを考案してもらいました。そこから企画デザイン会社にパッケージデザインをお願いし、「Gift&Stock」が完成しました。お客様からは「美味しい!」「お土産にもぴったり」などのお声をいただき、嬉しく思います。

缶詰は、保存性と栄養バランスに優れ、災害時にも頼れる「お守り」のような存在です。「Gift&Stock」を通じて、缶詰の魅力や備蓄への認知を広げていけたらなと思います。

ほかにも、盛岡冷麺の缶詰や、鯖とチョコレート(!)を組み合わせた缶詰など、ユニークな缶詰を製造している岩手缶詰。「そのアイデア面白いね、つくってみよう!」の声で、開発に至ることも多いのだとか

「備蓄×お土産」という、今までありそうでなかったコンセプトの「Gift&Stock」。大切な人への贈り物が、もしもの未来に役立つかもしれない、そう考えると素敵ですよね。備蓄をもっと身近に感じてもらい、非常食でも美味しいものを提供したいという思いが伝わってくるお話でした。

岩手缶詰に興味を持った学生さんにメッセージ!

人が生きていくために必要な【衣・食・住】の【食】を創造する会社です。数ある食品の中でも地味な存在ではありますが…。缶詰は長期保存が可能で、骨まで食べることもでき、機能性に優れ、栄養価も非常に高い食品です。

奇抜で斬新、誰もが驚くような・誰も真似できない商品を皆さんと共に生み出していきたいです!

■岩手缶詰株式会社
1941年、農林省(現・農林水産省)の指導により、岩手県内の6社で設立。釜石市に本社をおき、盛岡市や大船渡市など県内各地の工場で、徹底した生産管理・品質管理のもと製造しています。サバやサンマを中心とした、三陸沖で穫れる魚介類を使った水産缶詰をはじめ、冷凍食品やレトルト食品、ゼリー、飲料、ジャムなど、お客様のニーズに対応した多岐にわたる商品を展開中。美しい三陸の海と豊穣な大地に育まれた、安心・安全・美味しい「食」を通じて社会貢献できる企業を目指しています。

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