interview
2024/12/25 掲載
ジャジャーン!自慢プロダクト/07
普段よく目にするモノから、知る人ぞ知るスゴいモノまで、ものづくり王国・岩手には、おもしろいプロダクトがいろいろ!ここでは、メーカー自慢のプロダクトと、それにまつわる開発ストーリーをお届け。今回は北上市に工場を構える、三菱製紙株式会社のトイレットペーパー・ティッシュペーパー「ナクレ」を紹介します。
県産の木材を材料に、トイレットペーパー・ティッシュペーパーをつくる工場が岩手にあることをみなさんは知っていますか?
その工場が、三菱製紙株式会社北上工場。北上市の国道4号を車で通るときに、見かけたことがあるという人も多いかもしれません。
北上工場で生産している「ナクレ」について、製品の担当者である菅原紀代直(すがわら・きよなお)さんにお話をお聞きしました!
最初に、普段どんなものを製造しているのか教えてください。
三菱製紙北上工場の主力製品は、写真用紙の原紙です。紙をつくる原料のパルプから自社で製造しています。1965年の創業から、パルプは岩手県産材を中心とした国産パルプ100%を生産しているんです。
※パルプ:紙をつくるための原料で、木材から繊維を取り出したもの
ナクレを製造するようになったきっかけを教えてください。
製造・販売をスタートしたのは、1997年のこと。自社で製造していたパルプの有効活用を考えたのがきっかけです。
パルプの有効活用として、トイレットペーパー・ティッシュペーパーの製造が始まったんですね!
どちらも生活必需品なので、新たな事業として、安定した成長が見込めそうだと考えたのも理由のひとつです。
また、当時は東北で製造しているところがなく、工場の近くには北上金ヶ崎ICがあり、国道4号にも面しているなど交通の便がよく、販路開拓や流通の面でも優位性があることから、製造をスタートしました。
製品を開発する上で、苦労したことはありますか?
開発段階の頃は、安定した品質のものをつくるのに苦労しました。厚さの異なるものができてしまって、ティッシュを箱に詰めると、膨らんでしまうことがよくあったんです。製品化までには改善して、販売当初から多くのお客さまに好評をいただいています。
製品の特徴を教えてください。
原料に100%木材パルプを使用しているので、再生紙などを使用している製品と比べて、紙がやわらかく、使い心地がいいのが特徴です。また、その原料には岩手を中心に、北東北で伐採された木材を使用しています。
原料に、地域の木材が使用されているんですね!
地産地消を意識しながら、地元の木材でできた製品を、岩手を中心とした東北地域で販売しています。
全国で販売されている商品なのかと思っていました。僕は岩手で過ごしている期間が長いので、ナクレのパッケージはとても親しみがあります。
パッケージは販売を開始した当初から変更していません。紙の品質やサイズ、ボリュームなども変わっていないので、昔から高い品質のものを製造し、その製品が多くの人に支持されてきた実感を持っています。長年、地域の人達に使い続けてもらえる製品になっているのはとても嬉しいことですね。
最近は、北上市のふるさと納税の返礼品としても人気のナクレ。岩手を中心に、東北の人たちに使われ続けているトイレットペーパー・ティッシュペーパーは、少しずつ全国の人たちのもとにも届き始めています。
原料のことまでなかなかイメージがしづらい製品ですが、岩手の木材を使用して、岩手の工場で作られていることを意識すると、馴染み深い日用品がいつもとは違う特別なものに見えてくるかも…。ナクレを見かけたときは、ぜひ手にとってみてください!
(取材時期:2024年9月)
三菱製紙に興味を持った学生さんにメッセージ!
ものづくりに興味がある方、やる気と熱い思いのある方、より幅広いフィールドで挑戦してみたい方、多様な製造職場で活躍できる当社へ、ぜひお待ちしております。
■三菱製紙株式会社
パルプから紙まで一貫生産体制をとる高級紙メーカー。 北上工場では、写真印画紙用原紙のほかに、トイレットペーパー・ティッシュペーパー「ナクレ」を製造。高度な技術力を生かした高付加価値製品は市場で高い評価を受けています。
▶シゴトバクラシバいわて
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