interview
2024/11/22 掲載
あつまれ!熱血技術者/10
ものづくりに魅せられ、製品開発に心血を注ぐ技術者たち。彼らは、どんなことにこだわり、どうやって驚くようなアイデアを生み出すのか?日進月歩の世界で凌ぎを削る、熱き技術者たちに迫るこのコーナー。今回は、奥州市前沢・大槌町・花巻市東和に工場を構える株式会社千田精密工業の岡本昂大さんにインタビュー!
株式会社千田精密工業は、ステンレスやアルミなどの金属部品の加工を行っている会社。
少量多品種で、難易度が高い金属部品の加工を行っているのが特徴で、岩手県奥州市前沢に本社と工場を構えるほか、大槌町と花巻市東和町にも工場を構えています。
今回紹介するのは、大槌工場で機械加工を担当している岡本昂大(おかもと・こうだい)さん。岡本さんは、マシニングセンタという機械のオペレーションを担当。マシニングセンタを使って、金属部品を図面通りに削ったり、穴を開けたりする切削加工を行っています。
岡本さんは地元の高校卒業後すぐに、千田精密工業に入社。はじめは「簡単な仕事なんじゃないか」と考えて、製造業に就くことを決めたといいます。
「当たり前のことなんですが、実際に働き始めてみたら、覚えることがたくさんあって。安易な気持ちで始めた分、仕事を続けられるかどうか考えた時期もありました。しかし、何も努力せずに辞めるのではなく、まずは2、3年でも頑張ってみようと思って仕事を続けると、少しずつ作業に慣れて自分のできることが増え、今では充実感を持って働くことができています」
岡本さんが仕事をするうえで大切にしているのは、不良品を出さないこと。マシニングセンタは、0.001ミリ単位での加工が可能なため、その細かな調整のミスが不良につながってしまうこともあります。
また、金属は性質上、熱を持つと膨張したり、薄くすると反りが発生したりすることも。単純に機械に数値を入力するだけでなく、金属の性質を踏まえた加工を行う必要があるため、機械加工を行う技術者には、金属や取り扱う機械に関する高い知識やスキルが求められます。
「これまでの作業経験を活かしながら、金属がどう変化するかを想定して、加工しています。製品を図面通りに仕上げるために、どう加工するか。その方法は技術者に委ねて、チャレンジさせてくれる会社なので、難しさもありますがとてもやりがいのある仕事をすることができています。初めて加工するものが、図面通りに仕上がったときは、大きい達成感がありますね」
岡本さんは千田精密工業で働いて、今年で23年目。長く携わってきたからこそ、自身の仕事だけでなく、会社の今後を見据えながら「より会社全体が発展できるように、貢献していきたい」と話します。
「私たちが造った部品が、最終的にパソコンやスマートフォンなど、社会や暮らしを支える製品につながっている。そうした製品をこの会社のみんなで造れていることと、自分がその仕事に携われていることに感謝しながら、これからも多くの人の役に立てるような仕事を続けていきたいです」
機械加工の仕事に真剣に向き合いながら、会社とそこで働く人たちに対する岡本さんの想いがとても伝わってくるインタビューでした。
(取材時期:2024年8月)
千田精密工業に興味を持った学生さんにメッセージ!
社員一人ひとりの個性を大切に、ものづくりには豊かな発想・創造力が必要です。皆さんのひらめきが新たな可能性を秘めています。
ぜひ私たちと一緒に「ものづくり」しましょう!!
■株式会社千田精密工業
奥州市前沢に本社と工場を構えるほか、大槌町と花巻市東和に工場を構える株式会社千田精密工業。ステンレスやアルミなどの金属を使って、半導体や液晶関連装置用部品加工、自動車関連の試作品、レーシングカー用特殊パーツ加工、FSW(摩擦攪拌接合)での真空部品加工を行っています。
▶︎企業紹介 シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/34006010005860