interview
2024/10/28 掲載
勝手に業界研究/02
メーカー、流通・小売、金融など、いろんな業界があるけれど、岩手の業界事情って実際どうなってるの? そんな疑問にお答えして、編集部が独自にリサーチする「勝手に業界研究!」。今回は「食品・飲食業界」をフィーチャーします!
去年、盛岡市がニューヨークタイムスの「2023年に行くべき52カ所」に選ばれましたよね。その効果なのか、飲食店でも外国人の旅行者を見かけることが多くなった気がします。
令和4年に岩手を訪れた外国人観光客の入込数は、2万3,948人回で、令和3年より120%も増加したんだそう。最近は、メジャーな観光地より地方への関心が高まっているみたいだから、飲食店もインバウンド対応が必要になってくるかもしれないね。
旅行の楽しみといったら、やっぱり「食」じゃないですか。周りの友だちも飲食店でバイトしている人が多いんですけど、食に関わる仕事って幅広いですよね~。
大きく分けると、加工品などを製造する食品業界と、料理・飲料のサービスを提供する飲食業界があるね。まずは、食品業界からみていこうか。
岩手は農産物や海産物がたくさんあるから、食品加工も盛んなんでしょうか?
キミがいう通り、岩手は食の宝庫。野菜や魚介を原料にした加工食品をはじめ、牛、豚、鶏などの畜産加工品や新鮮な牛乳で作る乳製品など、たくさんの加工品を作っているよ。
他にも、清涼飲料水やアルコール類、醤油や味噌、ドレッシングといった調味料の製造もあるから幅広いよね。
そっか、お酒も食品に入るんですね。アルコールって、大手企業ぐらいしか思い浮かばなかった…
南部杜氏で有名な岩手には酒造会社が20以上あるし、地ビールやワインを製造している会社もあるの。醸造や商品開発など専門知識が必要な仕事もあるけど、営業や販売促進、広報など、いろいろな仕事で食品づくりに携わることもできるよ。
最近は、インターネット通販で直接消費者に販売する会社も多いから、SNSに強い世代には情報ツールを使いこなす力も期待されていると思うな。
なるほど~。日頃SNSで鍛えた発信力が強みになることもあるんですね。海外向けのアカウントを持っている会社もあるみたいですが、岩手も輸出に力を入れているんですか?
岩手はもちろん、日本の食品は品質や安全性の面でも評価が高いから、海外でも人気。岩手の場合は、マレーシアやシンガポール、台湾など、アジアを中心に食品のPRや商談会を開催しているんだって。
独自に輸出の販路を拓いている企業も結構あるから、「海外展開」という視点から会社選びをするのもおすすめだよ。
なるほど~。今の食品業界は語学力だけではなくて「グローバルな視点」も大事なポイントなんですね。ところで、飲食業界のほうはどうなんですか?
飲食業界には、外食・内食・中食(なかしょく)の3分野があって、店舗に行って食事をすることを「外食」、自宅で調理して食べることを「内食」、デパ地下のお惣菜やお弁当など調理済みの食品を持ち帰って自宅で食べることを「中食」と呼ぶんだそう。
新型コロナウイルス感染症が拡大した時は、外食店のテイクアウトや配達に特化したフードデリバリーのサービスが盛んになったよね。
フードデリバリーは私もよく利用しますし、配達のバイトをしている友だちもいます。
デリバリーだけじゃなく、IT化も進んだように感じるな。ネット予約やタッチパネルの導入、キャッシュレス決済を行う店が増えてきたでしょ。
これは、人手不足を補ったり、業務の効率化を進める取り組みでもあるんだけど、IT化で業務を減らすことで、お客様に対する「接客」そのものの質を上げる狙いもあるんだって。
やっぱり、飲食業で大事なのは接客ですよね。新人の場合、最初は店舗スタッフから始めることが多いんでしょうか?
飲食業界とひと口に言っても、ジャンルもお店の形態もさまざま。職種も店舗スタッフや販売促進、メニュー開発や店舗開発など、いろいろな仕事があるけど、その根底には人を喜ばせたい、笑顔にしたい、という思いを持って働いている人が多いみたいだよ。
接客は飲食業の柱だから、最初に経験すべき大事な仕事。でも、それ以外のいろんなサービスでもお客様を喜ばせることができると思うよ。
接客以外のサービス?
例えばポイントが加算されるサービスもそうだし、女性が一人でも入れる工夫をすることもそう。他にも、商品の売り上げの一部を環境保護活動に寄付するなど、購入することが「何かの役に立つ」と喜ばれるサービスもあるんだって。そういうアイデアを考えるのも、面白そうじゃない?
確かに自分のアイデアで喜んでもらえたり、売り上げが上がったら嬉しいですね! 簡単な世界じゃないと思うんですけど、いずれは独立して店を持ちたいっていう夢があるんですよ。
それは素敵な夢だね。自分の店を持つっていうのは良い目標だし、仕事の励みになるよね。
起業を考えている人には、県や市町村、商工会議所、銀行などの融資制度や、返済のいらない補助金・助成金の制度があるから、それを活用するのもひとつだよ。もちろん、事業計画をしっかり立てなきゃならないけどね。
夢に近づくためにも、まずは勉強からですね。いつかお客様を幸せにできる店を持てるように、がんばってみまーす!