みんなの想職活動

interview

2024/9/12 掲載

ススム働き方改革/10

付箋ワークで目線そろえ社員の声を見える化!

岩手県矢巾町に拠点を構える信幸プロテック株式会社は、空調設備・住宅設備の設計・施工・修理・保守を手がける設備会社です。

2017年に「岩手県働き方改革推進モデル企業」に選定され、翌年には「いわて働き方改革AWARD個別プロジェクト賞」を受賞するなど、働き方改革に対して熱心に取り組む会社として注目されています。

働きやすい職場づくりのためにどんな取り組みをしているのか、お話を聞いてきました。

オフィスに卓球台?健康を意識したオフィス

「ここはカフェ?」と見間違うほど、開放的でおしゃれな空間が広がる、信幸プロテックのオフィス。1階はオープンワークスペースとして、社内ミーティングや商談を行ったり、社員同士でランチをとるなど、さまざまな用途で使われています。

2021年に新しく建てたオフィスを彩るのは、すくすくと育った観葉植物たち。椅子やテーブルは屋内外問わず使えるほか、防災グッズとしても使えるという機能性の良さも

「いろんな部署や年代の社員でチームを組んで、こんなオフィスにしたいねと意見を出し合いながら、理想のオフィスをつくりました」と話すのは、専務取締役・村松直子さん。

辺りを見渡してみると、卓球台がテーブルとして使われているのを発見!ほかにも、入口の床には“けんけんぱリング”、天井には雲梯が取り付けられているなど、ユニークな仕掛けが散りばめられています。

これらは、会社が社員の病気予防や健康づくりに取り組み、戦略的に実施するという「健康経営」を社内で取り入れた一例なのだそう。社員一人ひとりが健康を心がけることで、日々の仕事のパフォーマンスを引き上げるだけでなく、将来の病気を予防することにもつながります。

卓球台でミーティングや作業をすることも多いのだとか。「休み時間や全体研修の空き時間に、卓球を楽しむ社員もいますよ」と微笑む村松さん

仕事の合間に身体を動かすと、リフレッシュにもなるし、いいアイデアが生まれそう!

「カエル会議」で社員の意識が変わった!

信幸プロテックでは、2017年から「カエル会議」という働き方見直し活動を実施しています。どうすれば業務の効率が上がり、仕事を早く終わらせ早く帰ることができるかを、社内で議論し改善していく取り組みです。

まずはじめに取り組んだことは、付箋ワーク。普段の仕事でどのような課題があるかを付箋に書き出し、それらに対しての解決策をグループ内で考えていくというものです。通常の会議では発言する人に偏りが生まれてしまうこともある中で、付箋ワークでは全員が平等に話せるというメリットがあるといいます。

「若手も上司も関係なく、自分の意見を口に出せる社員が増えました。急に意見を求められるとパッと出てこなくても、付箋なら発言のハードルが下がって意見を出しやすいという社員もいるので、取り入れて良かったなと感じています」

カエル会議の立ち上げ当初から関わっている村松さん。盛岡市が企画した「働き方改革アドバイザー養成講座」に参加したことをきっかけに、カエル会議を社内に取り入れたいと思ったのだそうです

付箋ワークで出た意見をグルーピングしてみると、さまざまな課題が浮き彫りになりました。その中でも特に、業務分担の悩みや無駄な業務があるという意見が多かったのだそうです。

そこで、社員の業務分担を一覧にしたスキルマップを活用して、無駄な業務を抽出したり、特定の担当者に業務が集中しないよう、手順書を作成することで業務負担を軽減し、担当者不在でも問題なく進む体制づくりを行いました。

「これらの取り組みを行ったことで、以前よりも効率よく仕事ができるようになりました。また、誰かが休んでも他の社員が補えるから大丈夫だという安心感にもつながっていると思います」と村松さんはいいます。

他にも、電話が頻繁にかかってきて集中力が途切れてしまうのを解決するために「がんばるタイム」を設け、ポップを掲示している間は電話を取り次がず仕事に集中できる環境をつくったという事例もあります。

このように、カエル会議を通して社員から出た意見やアイデアを形にして、小さな成功体験を積み上げていきました。

毎月1、2回のペースで実施している付箋ワークは、立ち上げ当初から8人の女性社員で実施。一人ひとりが発言しやすいような雰囲気づくりを心がけています

もともとは、事務部門である経営管理部で行っていたカエル会議。その取り組みの様子は、部門長会議や成果報告会を通して、他部門にも波及していきました。

中でも、現場工事部門のトータルエンジニアリング部は「経営管理部に負けていられない」とやる気に火がつき、自分たちの部門でカエル会議の手法を取り入れるようになったのだそうです。

「業務が改善されたことはもちろん、社内全体の意識が変わったことも、カエル会議を取り入れた大きな成果だといえます」

カエル会議は、社内全体の意識改革にもつながっていたんですね!

会社も後押し!仕事もプライベートも大切に

信幸プロテックは、育休や有休をとりやすい環境づくりにも心がけています。

子育てや家族との時間、プライベートの時間を大切にしてほしいという思いから、個別面談の際に利用できる制度を説明する他、書き込み式の「産休育休計画シート」を渡し、家族で話合って記入したものを提出してもらうことで積極的な取得を呼びかけているのだそうです。男性社員も、昨年度は対象者4人のうち3人が育休を取得しました。

他にも、資格取得のための費用を会社側がサポートする制度も。直接業務に関係のない資格の場合でも、業務の関わり具合によって会社が何割か負担してくれます。自分の目標に向けて、積極的に資格取得に励む社員が多いのだそうです。

最近では、健康を意識する社員さんが増えたこともあり、スポーツジムの入会金を会社が負担したケースもあるのだとか!

入社3年目の紺野志織さん(23)(写真・左)と笑顔で話す村松さん(写真・右)。会社の好きなところは?と紺野さんに尋ねると「立場関係なく、社員の皆さんが優しいところです」と答えてくれました

会社は社員がいてこそ成り立つ。だからこそ、社員が心身ともに健康であり、やりがいをもって仕事ができる環境づくりを大切にしていることが伝わってきました。

また、カエル会議のように、日々の気づきや課題を共有する取り組みが根付いているため、風通しがよく働きやすい職場が実現しているのだと思います。

信幸プロテックは、社員一人ひとりの意見を尊重し、会社をよりよくしていこうと前向きに働ける、風通しの良い会社です。


(取材時期:2024年2月)

■信幸プロテックに興味を持った学生さんにメッセージ!

私自身、建設業で働くことを想像したこともありませんでしたが、いざ足を踏み入れてみるとどの業界にも働きやすい会社があるし自分らしい働き方は見つけられるなと感じます。何となく相性がよさそう、気になると感じた会社があれば、ぜひ実際足を運んで話を聞いてみて下さい。

■信幸プロテック株式会社
1974年創業。岩手県矢巾町に拠点を構え、空調設備・住宅設備の設計・施工・修理・保守を行う“設備の総合クリニック”。空気・水・エネルギーの循環、環境と共生する循環社会、会社も社員も社会もすべてが良しとなる「三方よし」を心がけています。2017年に「岩手県働き方改革推進モデル企業」に選定され、2018年には「いわて働き方改革AWARD個別プロジェクト賞」を受賞。

■シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/84000010044640