みんなの想職活動

interview

2024/8/26 掲載

ススム働き方改革/09

働きたい人続出!充実の福利厚生で潤う人材

豊かな自然に囲まれた、岩手県洋野町。みちのく大寿会は、洋野町大野地区を中心に高齢者介護サービスを展開する社会福祉法人です。今回取材にうかがったのは、特別養護老人ホーム久慈平荘。みちのく大寿会が運営する7つの施設の中でもいちばん規模が大きく、90名の職員が働いています。

理事長の野田信雄(のだ・のぶお)さんは、当時を振り返ってこう話します。「1990年の設立当初は、私もがむしゃらに働いていましたね。しかし職員の高齢化が進み、健康面での不安の声も上がるようになりました」。職場環境を改善し、今では「みちのく大寿会で働きたい」という問い合わせが頻繁に来るようになったといいます。

明るい雰囲気の施設内。職員の方がいきいきと動き回っています

充実のリフレッシュ休暇制度!
たっぷり休んでいいんです

みちのく大寿会の働き方改革で、まず注目したいのは休暇制度。勤務は土日を含めたシフト制ですが、希望の休暇を申請できるだけでなく、5日連続で取得できる有給休暇があります。

「こんなに休んでいいのかなって思うんですけどね」と朗らかに笑う野田理事長。なぜここまで休暇取得に力を入れているのでしょうか?

きっかけは、数年前の企業説明会に参加した時のこと。みちのく大寿会のブースには、誰一人として訪れる学生がいませんでした。ようやく、ある学校の先生が生徒を連れて来てくれましたが、その先生からは「久慈平荘で働くのは大変だと聞いています」と言われたのだそうです。

その言葉を聞いて、野田理事長はハッとしたといいます。いくら良い介護サービスを提供しようと理想を掲げていても、実際に働いてくれる職員がいなければ何も始まらない…。“介護の仕事は大変”というマイナスイメージを払拭するため、処遇改善に力を入れてきました。

リフレッシュ休暇制度を設けてからは、施設全体の雰囲気が明るくなったといいます。「やっぱり不満やストレスを抱えたまま働くと、人間はどこかにぶつけてしまいますから。しっかり休むと、また明日から頑張ろうと気持ちを切り替えることができる。虐待を防ぐためにも、職員一人ひとりが自身の幸せを保っていることはとても大切です」と野田理事長は語ります。

お話をうかがった野田理事長。地元・洋野町にUターンし、福祉を通じて地域に貢献したいとみちのく大寿会を立ち上げました

働く人を大事にすることで、施設全体の雰囲気や、利用者へのサービスがブラッシュアップされるという好循環が生まれるのですね。

家を建てると助成金100万円!?
地域に貢献しながら働く

驚くのは、みちのく大寿会が独自に設けている「住宅取得応援助成金」の金額。施設のある洋野町に新築住宅を建てると100万円、中古住宅購入でも50万円の補助があります。また、リフォームを行う場合でも条件に応じて助成金が支給されるのだそう。これまでに補助金を利用してマイホームを新築した職員は2名。経済的負担を減らすことができ、とても喜んでいたといいます。

ほかにも、子育て中の職員に対して保育料の半額を補助するなど、それぞれのライフステージに合わせたサポートがあります。

住宅の取得をはじめ職員の暮らしを支援する制度を設けているのは、「故郷の笑顔を守る法人になる」という法人理念に基づくもの。過疎化の進む地元への定住を促し、暮らしやすい環境を整えることで、地域の活性化につなげています。

支援金制度を使って新築したマイホーム。とっても素敵です!

職場の近くに住むと通勤時間も節約できるので、時短を重視したい人や、仕事と家庭を両立したい人にもうれしい制度ですね!

どんどん広がる、雇用の多様性

みちのく大寿会では、障害の有無や国籍を問わず職員を採用。ベトナムやインドネシアなど、海外に住む応募者にはオンラインで面接を行っています。「外国籍の方は明るくてオープンな性格なので、利用者様からも人気があるんですよ」と話す野田さん。

また、職員の定着率が高いことも特徴です。2018年には定年を60歳から65歳まで引き上げ、長く勤められるよう体制を整えました。さらに、リタイア後も社会とのつながりを持ちたいと考える人を積極的に採用し、現在も70代が活躍するなど、働く意欲を尊重してくれる職場環境があります。

適性や年齢に応じて、仕事の役割を細かく分担。利用者にとっても、若手職員は孫のような親しみを感じ、同世代の職員には安心感を抱くなどメリットがたくさんあります

年代や国籍の垣根を越え、それぞれが自分にできる役割を担うことで、やりがいや自信が生まれるのですね。

「近い将来、週休3日制を実現させたい。岩手でもまだまだ前例が少ないことなので勇気がいるが、きっとできると信じています」と野田理事長は力強く話します。

臆することなく新たな取り組みを実践し、改善を重ねていくやり方で、職員を大事にしてきたみちのく大寿会。ますます社会のニーズが高まる福祉の分野で、自分の特性を生かして働き、プライベートも充実させられる法人として、これからの岩手の働き方改革をけん引する存在だと感じました。

(取材時期:2024年6月)

みちのく大寿会に興味を持った学生へメッセージ!

働き方改革AWARD最優秀賞受賞後も、弛まず職場改善と健康経営にポジティブに取り組んでいます。人、地域、日本を支える介護は非常に重要な仕事です。一緒に日本の明るい未来を拓く介護にチャレンジしませんか!!

■社会福祉法人みちのく大寿会
1990年創立。岩手県洋野町・大野地区を中心に高齢者介護サービスを提供しています。高齢者、障害者を積極的に採用するとともに、子育て支援の充実など様々なライフステージの職員が働きやすい環境づくりを進め、多様な働き方につなげています。「いわて働き方改革アワード2018」最優秀賞。