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interview

2024/5/16 掲載

ススム働き方改革/06

仕事のムダをなくしたら社員の結束が強まった!?

東日本大震災で社屋も津波の被害を受けた、大船渡市の株式会社アースデザインコンサルタンツ(旧社名:株式会社菊池技研コンサルタント)。被災しながらも、道路や橋梁、港湾などの測量や地質調査、設計などを担い、復興に尽力してきました。
ところが、気がつけば社員たちは数年間も働き詰め…。被災地のためとはいえ「何とかしなければ」と、県が募集した「いわて働き方改革実践モデル企業」に応募。部署ごとにチームを作り、業務の見直しが始まりました。

徹底的にムダを削り
残業時間を大幅短縮!

「当初は、技術者たちの抵抗がかなりあって…。納期があるため、残業は致し方ないという考えが定着していたんです」と話すのは、働き方改革を推進してきた総務課課長の滑川(なめかわ)淳一さん。

約80名もの社員を擁するアースデザインコンサルタンツは、復興事業に欠かせない業務を担う技術集団。震災直後から仕事に忙殺され、残業の多さが課題となっていました。

このままでは社員たちが体を壊してしまう…。

会社が成り立つのは、社員が健康でイキイキと働ける職場があってこそ。「健康経営」と「働き方改革」を取り組みのテーマに掲げ、残業時間の削減に取り掛かりました。

震災から数年間は、残業が常態化していたという技術セクション
総務課のリーダーとして、社内の働き方改革を引っ張ってきた滑川課長

まず取り掛かったのが、部署ごとに業務のムダを洗い出し、改善策を話し合うことでした。

仕事の関連性がある測量・設計・地質・補償・営業の5部門合同で、打ち合わせを実施。バラバラだった資料のフォーマットを統一化したり、誰でも仕事の流れがわかるようにマニュアルやチェックリストを作成したり、部門間の余計な情報伝達をなくすことなどに取り組み、仕事の効率化と大幅な残業短縮を実現しました。

「それまで一人で黙々と仕事をすることが多かったのですが、みんなで話し合う機会が増えたことで、業務中の意見交換も活発になり、社員間のコミュニケーションが深まりました」と、嬉しい相乗効果も。互いの仕事を理解し合うことで、声かけや助け合いが生まれるようになったといいます。

コミュニケーションを活発にすることが業務改善のカギなんですね!

ペーパーレス化で
作業効率をアップ!

アースデザインコンサルタンツのタイムカードは、QRコードを採用しています。電子化することで出退勤管理がミスなくできる上に、手作業で紙に書いていた集計業務の負担も軽減されました。

これを提案したのは、業務の電子化に取り組む「DXプロジェクトチーム」。総務課、営業課、情報課から人選し、「こんなのがあったら便利だね」とアイデアを出し合いながら、業務改善につながる取り組みを進めています。

出退勤の確認はQRコードを読み込むだけ。自動配信されたデータで勤務状況を管理しています

また、コンピュータで行う業務を自動化するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入し、手間と時間がかかっていた公共事業の入札情報のダウンロードも自動化。スタートボタンを押すだけで、公告情報が自動的にファイル分けできるようなシステムを構築しました。

他にも社員のスケジュール管理や消耗品の在庫確認なども電子化。こうしたシステムはすべて、情報部門の社員たちがオリジナルで開発しているそう。社員自らが発案し、自分たちが使いやすいシステムを作ることで、大きな成果を上げています。

この取り組みは、「いわてDX大賞2022」でも評価され、優秀賞を受賞。さらに社内表彰も受賞して、プロジェクトチームのモチベーションも大いに上がったといいます。

自ら課題解決に取り組むことで、自主性や積極性が育まれますね。

業務改善の取り組みを
全社員にプレゼン!

こうした業務改善の取り組みは、毎年6月に行われる社内の「働き方改革発表大会」で、発表されます。

部署ごとに1年の取り組みを振り返り、課題解決のための新たな取り組みを全社員に向けてプレゼン。この発表内容を社員全員で採点し、優勝を競い合います。

部署ごとに取り組みをプレゼンする、社内発表大会。現在は本社と3支店を結び、オンラインで開催しています

こうした業務改善の取り組みは、3ヶ月ごとに進捗状況を伝える報告書を提出してアドバイスを仰ぐほか、1ヶ月に1回は部署内で会議を持ち、目標の達成状況やその時々の問題点を話し合っているのだとか。

「月一回の会議はもちろん、毎日の朝礼・終礼もオンラインで本支店をつなぎ、常に互いの仕事の状況を共有できるようにしています。情報共有を日々積み重ねることによって、誰かが忙しい時にはフォローし合うようになりましたね」と、滑川さん。

こまめに振り返りの機会を設けることで、業務改善の取り組みを日常的に意識させ、部署内のチームワークも高めています。

社内に張り出されたスローガン。全社員が目標を共有しながらより良い職場づくりを進めています

業務改善を「当たり前」にするのは大変だけど、とっても大事!

これまで積み重ねてきた業務改善の取り組みは、仕事の効率化や残業時間の削減といった成果を上げたことに加え、社員間のコミュニケーションを深め、一人ひとりの自主性や積極性を育みました。

例えば、20代の若手社員たちは、「若手の会」を立ち上げ、社内の仕事を学び合う勉強会や他社との交流会などを開催し、自主的に活動しています。また、リクルート活動にも率先して参加し、先輩社員として高校生や大学生に会社説明を行うなど、さまざまなシーンで活躍しています。

他社の若手社員との交流会の様子。お互いの会社や仕事のことなど、情報交換を行いました

「いいと思うことはやってみろ! というのが社長の方針。誰かがアイデアを出せば、誰かが拾って形にしようとする。いい職場になってきたと思います」と、滑川さん。

社員一人ひとりが会社のことを自分ごととして捉え、「もっと良くしていこう」という好循環が生まれているアースデザインコンサルタンツ。さらなる改善に向けて、その取り組みもどんどん進化しています。

(取材時期:2023年12月)

アースデザインコンサルタンツに興味をもった学生さんにメッセージ!

2023年に創業60周年を迎えました。テーマにRebornを掲げ、常に新たな取組で社員がイキイキと働きやすい職場を目指します。また、若手が成長できる環境が整っています。私たちと一緒に地域に貢献しましょう。詳しくはHPで!

総務課 滑川淳一

■株式会社アースデザインコンサルタンツ

大船渡市に本社を置き、盛岡市と一関市に支店を構えるアースデザインコンサルタンツは、測量や地質調査、設計、用地補償などの業務を担う総合建設コンサルタント。社員がイキイキと健康で働きやすい職場環境づくりを掲げ、「健康経営」「働き方改革」「若手育成」に力を入れています。

いわて働き方改革AWARD受賞、くるみん認定、ユースエール認定、健康経営優良法人認定ブライト500、いわて子育てに優しい企業等認証、いわて女性活躍認定企業等(ステップ2)など

▶︎企業紹介|シゴトバクラシバ
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/84027010000730