interview
2023/12/21 掲載
ジャジャーン!自慢プロダクト/03
普段よく目にするモノから、知る人ぞ知るスゴいモノまで、ものづくり王国・岩手には、おもしろいプロダクトがいろいろ!ここでは、メーカー自慢のプロダクトと、それにまつわる開発ストーリーをお届け。今回は、忙しい毎日を送るパパ・ママの味方、株式会社津田商店のオリジナル冷凍食品の登場です。総務経理課主任を務める藤枝さん(27)と、入社2年で開発担当に抜擢された門屋さん(23)にお話を伺いました。
みなさーん! “海のパイナップル”と呼ばれる、ホヤはお好きですか? 今回、「ほやバル」というお酒にピッタリな缶詰の秘話をお聞きしようとしたところ…。「若手社員で開発した、イチオシの新製品があります!!」と猛烈プッシュしていただいたのがこちら。その名も「子どもようおさかなさん」です。
わ~、おいしそう! こちらが一番人気の「いわし梅煮」なんですね。「子どもようおさかなさん」自慢のポイントを教えてください。
鮮度の良い青魚を厳選していることはもちろんですが、独自の製法で骨まで柔らかく仕上げているので、丸ごと食べることができるのが特徴です。魚にはD H Aやカルシウムなど、子どもの成長に欠かせない栄養素がたっぷり含まれていますが、その一方で、さばくのに時間がかかることや、骨を取るのが面倒だという理由で家庭の魚離れは深刻化しています。魚を食べる機会が増えるよう、調理の手軽さと味の豊富さにはこだわりました。
味付けは、学校給食用のレシピが元になっているんですね。とはいえ、10種類ものメニューをブラッシュアップするのにはご苦労もあったのでは?
毎日開発室にこもって、試作と味見を繰り返す作業は思った以上に大変でしたね。制作期間も4ヶ月と短かったので、間に合うのか、正直プレッシャーもありました。一番苦労したのは調味の配合です。モニターのご家庭にサンプルを送ったところ、親御さんから「甘みが強い」というご意見をいただいたんです。
そこで、使用する砂糖そのものから見直すことにしました。色々な砂糖を取り寄せて、試作を繰り返しました。ようやく、「てんさい糖」を使うとまろやかな甘みになり、かつ青魚との相性が良いことを突き詰めたんです。チーム内でも納得の味になったものの、商品化できるかどうかを決める社内試食会は緊張しました…。社長や上司から、開発した全種類の販売許可が降りたときは、ガッツポーズしたい気分でした!
プロジェクトメンバーは、全員が20代から30代だとお聞きしました。そこにはどんな意図があったのでしょうか?
新製品開発のきっかけは、コロナ禍で休校が長く続いたことでした。学校給食として提供されるはずだった大量の冷凍食品の行き場がなくなってしまい、それらを一般家庭向けに販売しようという企画が持ち上がったんです。そこで、「5年先、10年先の未来に向けてノウハウを貯め込んでほしい」という社長の思いを受けて、営業部や品質保証部などから8名の若手社員に白羽の矢が立ちました。
同世代の社員が集まったことで、ざっくばらんに話し合えたことはメリットだったと感じますね。S N Sを駆使して製品をアピールできることも、私たちの世代の強み。インスタグラムでキャンペーンを実施するアイディアも出て、「子どもが喜んで完食しました」というコメントや、アレンジレシピの動画が寄せられるなど多くの反響がありました。
かわいらしい製品名とは裏腹に、努力の結晶がぎゅっと詰まった「子どもようおさかなさん」。経験年数にとらわれることなく、チャレンジ精神を大切にしてくれる津田商店。目標を持っていきいきと働く、若手社員さんの瞳がとても印象的でした。
(取材時期:2023年11月)
津田商店に興味をもった学生さんへのメッセージ!
弊社では全国で津田商店の商品を楽しみにしているお客様のために、共に食品作りに携わる仲間を探しています。食品業界に興味がある、釜石で働き社会に貢献したい、そんな皆様と一緒に働ける日を楽しみにしています。
管理部 総務経理課主任 藤枝 大樹(だいき)
■株式会社津田商店
地の利・三陸の豊富な水産資源と海外を含む独自のルートで、鮮度が良く品質にこだわった原料素材を安定的に確保。工場には「缶詰」「(調理)冷凍食品」「レトルト食品」等の(加熱)加工設備を備えます。長年に培った製法・衛生管理・商品開発等のノウハウを忠実に実践し、全国の学校給食へ、変わらぬ品質を提供しています。
▶シゴトバクラシバいわて
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