interview
2024/6/24 掲載
ススム働き方改革/08
岩手県一関市・平泉町・奥州市に工場を構える金属加工メーカー、長島製作所。自動車部品・半導体部品・家電部品など、さまざまな部品を生産し、その工程で扱う治具の設計や金型の製作、機械加工、組み立てなども自社で行っている企業です。
2017年以降、「いわて女性活躍企業等」や「地域未来牽引企業」、「新・ダイバーシティ経営企業 100選」など、さまざまな認定・認証を受けているほか、社員210名のうち女性が全体の3割を占め、製造業の中では珍しく女性社員の多い企業としても知られています。
社内外から高く評価される、社員みんなが働きやすい環境をどのように整えてきたのか。また、これからさらにどんな取り組みを行おうと考えているのか、お話をお聞きしました。
社員が意見を出し合い、2200件以上の課題を解決!
長島製作所では、社員一人ひとりの意見を反映し、働きやすい環境を実現するためにさまざまな取り組みが行われています。
そのひとつが、YKI活動。YKIとは、「Y=やりづらい」「K=気を遣う」「I=イライラする」の略のことで、それらに関する意見を社員から集め、改善を行うのがYKI活動です。
これまでにYKI活動で改善された課題は、2200件以上。「夏は工場内の気温が高くなるので、扇風機をつけてほしい」、「在庫を把握しやすくするために、棚を新調してほしい」など、挙げられた課題の解決方法を社内全体で検討し、そのほとんどを改善してきました。
また、その他にも、社員全員が所属する「委員会活動」や整理、整頓、清掃、清潔、しつけを意識し合う「5S活動」など、いい職場づくりに向けて、社員同士が自分たちの働く環境について意見を出し合う機会が多く設けられています。
さらに、社員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を実現するために、一般的な休暇に加え、誕生月の前後3ヶ月以内に取得することができる「バースデイ休暇」など独自の休暇制度を設けているほか、資格取得支援、時短勤務などの制度も充実しています。
こうした取り組みは、2007年ころから15年以上行われているとのこと!社員みんなが働きやすい環境づくりが会社の当たり前として、根付いているそうです。
省人化とDXの推進で、仕事のやりがい向上!
長島製作所が今取り組んでいるのが、省人化とDXの推進。
省人化として、行っているのは製造工程でのロボットの活用。働き手不足が問題となっている中で、繰り返し行う単純作業をロボットが担うことで、業務の効率化を進めています。
また、DXの推進として、休暇申請書など社内で使用する書類の電子化を実施。電子化を行うことで、人為的なミスを防止し、これまで必要以上にかかっていた手続きにかかる時間の短縮を実現しています。
さらに書類の電子化に使用しているアプリは、長島製作所の社員が自ら開発! DXの推進方法を自社の中で考え、実践しています。
ロボットの導入と書類手続きなどのDX化により、より重要度の高い仕事に社員が集中できるため、仕事にやりがいを持ちやすくなり、業務の意欲向上につながっているそうです。
制度を整えるだけでなく、技術やテクノロジーを導入しながら、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢が素敵ですね!
プログラミングやデザイン、英語を学べる「PLOT」
長島製作所では、省人化やDXの推進に向けて、ロボットやアプリの導入・整備だけでなく、それらの開発やオペレーションを行うことができる社員の育成も行っています。
工場内で扱うロボットや設備の開発・保全を行う「生産技術」を担当する社員向けには、社外から講師を呼び、定期的に研修会を開催。設備の導入を進めながら、社内のオペレーターを育成し、社員が意欲的に新しい仕事にチャレンジできる環境を整えています。
また、DX化の推進に重要なプログラミング、営業や社内プレゼンに活かすことができるデザインに関する研修は、長島製作所が2024年2月からスタートした新事業「PLOT」で開催。
PLOTは、子どもも大人も通うことができるスクールで、プログラミングやデザインのほか、英語などに特化した講座を受けることができます。
長島製作所の社員以外も通うことができる地域にひらかれたスクールですが、社員のスキルアップや子どもの教育のサポートを行う取り組みのひとつとしても考えられているそうです。
新しいスキルを身につけて、仕事によりやりがいを持って取り組むためのサポートが充実しているのは、とても嬉しいですね。
長島製作所が、社員の働く環境を考える上で大切にしているのは、「人生を共に豊かにする」ことができる企業風土づくり。
社員同士のコミュニケーションが取りやすく、休暇や支援制度によって、プライベートの時間が充実するからこそ、やりがいや達成感を感じる仕事ができる。その考えのもと、さまざまな取り組みを行っています。
実際に、社員のみなさんが働いている様子を見ると、お互いに意見を出し合って、職場環境の改善を重ねてきたからこそ、とてもいい関係性が築かれていることが伝わってきました。
技術の高いものづくりを続けながら、時代の変化に合わせて、社員が働きやすい環境づくりに取り組む長島製作所。新事業・PLOTのスタートもあって、今後は製造業だけでなく、プログラミングや教育を専門とした社員が増えていく予定とのこと。これからも一緒に新たなことに挑戦していく仲間を心待ちにしています。
(取材時期:2023年11月)
長島製作所に興味をもった学生さんにメッセージ!
学生のみなさん!就活をしていて不安や悩みがあると思いますが、頼れる先輩やなんでも話せる仲間が待っています!
前向きに新たなことへ挑戦し、一緒に「やりがい」「達成感の喜び」を味わいながら、自分の可能性を広げていきましょう!!
■長島製作所
岩手県一関市・平泉町・奥州市に工場を構える金属加工メーカー。自動車部品・半導体部品・家電部品を製造し、設計部門、生産技術部門、金型製作部門の3部門を自社内に持つ。17年、地域未来牽引企業に認定。18年、第35回優秀経営者顕彰で受賞、「いわて女性活躍認定企業等(ステップ2)」認定。19年「新・ダイバーシティ経営企業 100選」認定、同年「くるみん」認定
▶︎シゴトバクラシバIWATE
https://www.shigotoba-iwate.com/kyujin/company/94005010002350